脳に必要な栄養素が行き渡っていないと、人は集中力を失います。こちらでは、脳に十分なエネルギーが行き渡るための栄養素や食品などを紹介していきます。
※栄養素に着目してご紹介していますが、効果の有無には個人差があります。
たとえば、脳に直接働きかけるブドウ糖や、ブドウ糖の産生に役立つビタミンB類などが挙げられます。
脳は、安静時であっても全身エネルギー代謝の約20%を消費すると言われるほどエネルギーをたくさん使う臓器です。そして、その脳の主なエネルギー源となるのがブドウ糖(グルコース)なので、集中力を維持するためにはブドウ糖の摂取が必要不可欠です。
脳が消費するエネルギー量は1日約350kcal。換算すると1日約100gのブドウ糖を摂取するように意識しましょう。ブドウ糖は脳に貯蔵することができないため、常に供給し続けなければなりません。
ブドウ糖は果物に多く含まれています。また、新鮮な生の状態よりも、ドライフルーツのほうがブドウ糖含有量は多くなります。ブドウ糖ははちみつにも多く含まれます。
ビタミンB群にはエネルギー代謝の補酵素として、代謝をスムーズにする潤滑油のような働きがあり「代謝ビタミン」とも呼ばれています。ビタミンB群にはビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6などがあり、それぞれエネルギー産生に重要な働きをしてくれます。
その中でもビタミンB1は、炭水化物の代謝や神経機能維持に関わっており、集中力を高めたいときのブドウ糖のエネルギー産生において重要な役割を担っています。
ビタミンB1の多く含まれる食材として、まず豚肉が挙げられます。豚肉部位の中でも「ひれ」や「もも」の部分に多くビタミンB1が含まれています。
それ以外の食材ではウナギや真鯛、納豆、玄米、カシューナッツやピスタチオ、えのきたけなどに多く含まれています。
体のタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、その中の「フェニルアラニン」「トリプトファン」「チロシン」が芳香族アミノ酸と呼ばれています。
そして、脳の神経細胞間で情報の橋渡しをしている「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」などの神経伝達物質を作るために欠かせないのが芳香族アミノ酸の「フェニルアラニン」と「チロシン」です。
これらが足りなくなると、精神的・肉体的ストレスを感じやすくなり、集中力を維持するのが困難になると言われています。
芳香族アミノ酸は、肉類や魚介類、カシューナッツや落花生などのナッツ類、チーズに多く含まれています。芳香族アミノ酸を多く含む食品をいくつか紹介します。